とびた歯科ブログ

その1本が歯の寿命を縮める!?喫煙と歯周病の関係

2025年11月5日 (水)

 

こんにちは。院長の飛田です。

11月17日は肺がんへの理解と

予防意識を高めるために定められた

「肺がん撲滅デー」です。

 

肺がんの主な原因とされるタバコは、

全身のさまざまな病気のリスクを高めることが

知られています。

 

その影響は、お口の中の病気も

例外ではありません。

 

 

 

 

◆ヤニ汚れより怖い!

 タバコが奪う” 歯の寿命”

 

タバコによるお口トラブルといえば、

「ヤニ汚れ」「口臭」

イメージされる方も多いでしょう。

 

しかし、タバコの害で本当に怖いのは、

歯の寿命そのものを縮めてしまうことです。

 

ある調査では、70代の喫煙者は

非喫煙者よりも平均で約8.5本

歯が少ないという結果が報告されています。

 

 

 

その背景にあるのが、

歯を失う原因で最も多くの割合を占める

「歯周病」の存在です。

 

喫煙はこの歯周病の進行を早めるだけでなく、

歯周病治療の効果まで下げてしまいます。

 

この二重の悪影響によって、

タバコを吸う人ほど

歯を失うリスクが高まってしまうのです。

 

 

 

 

◆知らないうちに進む喫煙の”二重ダメージ”

 

タバコが歯周病の進行を早める主な原因は、

煙に含まれる3 つの有害物質

(ニコチン・一酸化炭素・タール)です。

 

・ニコチン:血流を悪化させ、歯ぐきを栄養不足にする

・一酸化炭素:体を酸素不足にして、歯ぐきの抵抗力を奪う

・タール(ヤニ):歯の表面にこびりつき、

歯周病菌がつきやすい環境をつくる

 

 

 

こうした影響が重なることで、

歯ぐきが本来持つ「細菌と戦う力」

「傷を治す力」が徐々に奪われていきます。

 

その結果、タバコを吸う人は

吸わない人に比べて

歯周病のリスクが約5.4 倍に上昇するほか、

治療の効果も半分程度まで

落ちることがわかっています。

 

さらに問題なのは、血流の悪化によって

歯ぐきの腫れや出血といった

歯周病特有のサインが出にくくなる点です。

 

そのため、喫煙者は自覚がないまま

歯周病が重症化してしまい、

やがて歯がぐらついたり、

抜けてしまったりするおそれがあります。

 

 

 

 

◆”禁煙”が無理でも諦めない!

 今からはじめる歯周病ケア

 

歯周病だけでなく、全身の健康のためにも

「禁煙」がベストの選択です。

 

とはいえ、

「わかっているけど、今すぐの禁煙は難しい」

という方も多いでしょう。

 

大切なのは、すぐに禁煙ができなくとも、

タバコのリスクを理解したうえで

今できる歯周病ケアを欠かさないことです。

 

 

 

 

ご家庭での丁寧なセルフケアと、

歯科医院での定期的なケアを継続しながら、

タバコの影響を少しずつ減らしていきましょう。

 

 

とびた歯科・口腔外科クリニック
〒253-0101 神奈川県高座郡寒川町倉見2878番1
TEL:0467-72-1155
URL:https://www.tobita-dos.com/
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カテゴリー: 院長から一言

歯を守れば脳も守れる!認知症対策はお口から

2025年10月2日 (木)

 

こんにちは。院長の飛田です。
今年は秋の味覚であるサンマが大漁です。

 

サンマなどの青魚に多く含まれるDHAは
認知症予防にも役立つ可能性 があるとされ、
積極的に摂りたい栄養素のひとつです。

 

実は認知症には食事や生活習慣だけでなく、
お口の健康も深く関わっていることが
わかってきています。

 

 

 

 

◆歯が減ると記憶力が落ちる?
 ~歯の本数と認知症

 

年齢を重ねると歯の本数が減り、
これにより噛む力が弱まってしまいます。

 

噛む力が弱まると、食事や体調面だけでなく、
「認知症」の発症にも影響することが
多くの研究で示されています。

 

ある研究では、65歳以上で歯がほとんど残っておらず、
入れ歯も使っていない人は、
20本以上ある人に比べて認知症のリスクが
約1.9倍も高いという結果がでています。

 

 

 

「噛む」という行為は
単に食べものを細かくするだけでなく、
あごの筋肉を動かして
脳に刺激を届ける役割も担っています。

 

歯が減ってしっかり噛めなくなると、
脳への血流や刺激が減少し、
その働きが弱くなってしまうわけです。

 

 

 

 

◆歯周病は「アルツハイマー型認知症」の
 引き金に

 

近年は歯の本数だけでなく、
歯周病も認知症に
影響を与えることがわかってきました。

 

別の研究では、歯周病の人はそうでない人と比べて、
アルツハイマー型認知症のリスクが
約1.7倍も高いと報告されています。

 

アルツハイマー型認知症は、
脳に「アミロイドβ」という
老廃物のようなものが溜まり、
記憶力や判断力が低下していく病気です。

 

実は、歯周病菌が体に入り込むと、
アミロイドβが作られやすくなり、
認知症のリスクを高めるおそれがあるのです。

 

 

 

 

 

◆歯が20本あれば割引される保険商品も!?

 

こうした研究結果は、
医療以外の分野でも活用されはじめています。

 

最近では、ある生命保険会社が
70歳以上で歯が20本以上残っていれば
保険料を割り引く、という
認知症保険の商品を発売した例もあります。

 

このように、お口の健康と
将来の健康リスクのつながりが
より一層社会でも認識されてきています。

 

 

 

 

◆「人生100年時代」の今、できること

 

「いつまでも自分らしく元気に過ごしたい」
というのは多くの人に共通した願いであり、
その実現には”お口の健康”が欠かせません。

 

歯や歯ぐきを守ることは認知症のみならず、
糖尿病や心臓疾患、脳卒中の予防にも
役立つといわれています。

 

日々のセルフケアに加え、
定期的に歯科を受診してお口の環境を整えることは、
健康寿命を延ばす第一歩です。

 

 

 

 

未来の自分、そして大切な家族のためにも、
今日からできることを一緒にはじめていきましょう。

 

 

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カテゴリー: 院長から一言

子どもに多い!唇の裏の水ぶくれ、放置しても大丈夫?

2025年9月2日 (火)

 

こんにちは。院長の飛田です。

9月頃からは新米が多く出回り始めます。

 

お米をよく噛むとだ液の分泌が促され、

消化・吸収がスムーズになるほか、

自然な甘みを感じることができます。

 

お米をよりおいしく味わうためにも、

日ごろからしっかり噛んで食べることを

意識したいですね。

 

ところで、この「だ液」ですが、

時折、お口の中や唇に水ぶくれのような症状

引き起こすことがあります。

 

 

 

 

◆唇や舌にできる水ぶくれ、その正体は?

 

お子さんのお口の中に

小さな水ぶくれのような膨らみが見つかると、

心配になり、慌てて受診をされるケースが

少なくありません。

 

このような唇や舌にできる

半透明の膨らみは

「粘液嚢胞(ねんえきのうほう)」の可能性があります。

 

 

 

粘液嚢胞とは、

お口を噛んだり傷つけたりすることで、

だ液を運ぶ細い管が詰まってしまい、

だ液の行き場がなくなって

水ぶくれのようになってしまうものです。

 

見た目ほど心配なものではありませんが、

自然に消えることは少なく、

繰り返しやすいのが特徴です。

 

 

 

 

◆痛みはなくても油断は禁物

 

粘液嚢胞は子どもに多くみられる

お口トラブルのひとつで、

舌の先や裏側、下唇にできやすく、

直径5~15mmと大きさもさまざまです。

 

ただし、中に溜まっているのはだ液なので、

基本的に痛みを伴うことはありません。

 

「つぶれると中のだ液が出て小さくなりますが、

「しばらくするとまた溜まって膨らんでくる…

というのを繰り返すのが、

この病気の厄介なところです。

 

 

 

つい自分でつぶしてしまいたくなりますが、

傷口に細菌が入り

炎症を引き起こすおそれもあるため、

気になっても無理に触らず安静を保ちましょう。

 

 

 

 

◆治療法と注意したいポイント

 

粘液嚢胞の多くは自然に治ることはなく、

効き目のある塗り薬や飲み薬もありません。

 

膨らみが小さいものであれば

経過を見守ることもありますが、

根本的に治すには、

原因となっている小さなだ液腺ごと

嚢胞をとり除く外科処置などが必要になります。

 

特に、舌の裏側のやわらかい部分に

大きく膨らんだ「ガマ腫」と呼ばれるタイプのものは、

放っておくと食事や発音に

支障が出ることもあるため、

早めの受診が安心です。

 

 

 

 

◆気になる症状は早めの相談を

 

粘液嚢胞のほとんどは良性ですが、

再発を繰り返したり大きくなったりする場合は

治療を検討する必要があります。

 

また、まれにですが

別の病気が隠れていることもあるため、

自己判断で放置するのは禁物です。

 

 

 

 

お口の中に気になる膨らみ・できものを見つけたら、

早めに歯科医院を受診しましょう。

 

 

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子どもを「歯医者嫌い」にさせない声かけ&接し方のコツ

2025年8月4日 (月)

 

 

こんにちは。院長の飛田です。

8月に入り、夏も本番を迎えました。

 

夏休み中のお子さんは

けがや夏風邪に気をつけつつ、

楽しく過ごしてくださいね。

 

さて、この長い夏休み期間の間に、

お子さんの“歯医者デビュー”を考えているご家庭も

多いのではないでしょうか。

 

「歯医者=痛い、こわい」

といったイメージから、どうしても最初は

嫌がられてしまいがちです。

 

そこで今回は、

お子さんが少しでも安心して歯医者に通えるよう、

保護者の皆さまに心がけていただきたいポイントを

ご紹介します。

 

 

 

 

◆実は逆効果?こんな声がけに要注意!

 

お子さんによかれと思ってかけた一言が、

歯医者嫌いを助長することがあります。

 

無意識のうちに以下のような言葉を

言っていないか、チェックしてみましょう。

 

 

 

・「歯みがきしないと歯医者さんに連れて行くよ!」

歯みがきを嫌がられるとつい出てしまう言葉ですが、

「歯医者=罰を受ける場所」

とインプットされてしまうため、

歯医者は自分の健康を守ってくれる味方だと

伝えることが大切です。

 

・「お口を見るだけだよ」「痛いことはしないよ」

このような嘘で歯医者へ連れて行くと、

結果的にさらに嫌がられてしまいます。

治療のことは正直に伝え、

終わったあとはたくさん褒めてあげましょう。

 

・「みんな我慢しているよ!」「怖くないから!」

このような不安な気持ちを否定する言葉は、

かえって不安を強めてしまう可能性があります。

まずはお子さんの気持ちを理解し、

寄り添ってあげましょう。

 

 

 

 

◆ちょっとした工夫で通院がスムーズに

 

受診のタイミングや待合室での過ごし方など、

少し工夫するだけでも

お子さんの通院がスムーズになります。

 

ぜひ、以下を参考にしてみてください。

 

1.幼児の受診は「午前中」がベスト

眠気や空腹、疲れなどが重なるとぐずりやすくなります。

とくに小さなお子さんは、

体調や機嫌の良い午前中の受診がおすすめです。

 

2.動きやすく汗をかいても対応できる服装

小さなお子さんは、

処置を嫌がって泣いたり暴れたりすることもあります。

通気性の良い服を選び、

着替えも用意しておくと安心です。

 

3.待合室ではリラックス

待っている間は絵本を読んだり、

お気に入りのおもちゃで遊ばせたりして、

リラックスできる雰囲気をつくりましょう。

 

 

 

 

 

◆歯医者は子育ての強いパートナー

 

「泣いたらどうしよう」

「嫌がったら迷惑かも」

と、不安で受診をためらう保護者の方は

少なくありません。

 

しかし、私たちはただ治療をするだけではなく、

治療を通じてお子さんの成長や

気持ちに寄り添うことも

同様に大切な役割だと考えています。

 

 

 

 

お子さんの受診についてご心配なことがあれば、

まずはお気兼ねなくご相談ください。

 

 

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歯ぐきにできる硬いコブ「骨隆起」とは?

2025年7月2日 (水)

 

 

こんにちは。院長の飛田です。

7月はスイカが旬の時期です。

 

スイカの種はとても硬く

噛むと違和感がありますが、

そのまま食べてしまっても

健康上は問題ないとされています。

 

実は、お口の中でも

硬いけれども体に害はない膨らみ

できることがあります。

 

 

 

 

◆これは病気?硬い膨らみの正体

 

「舌で歯ぐきをなんとなく触ってみたら、

硬いコブのようなものができていた」

という経験はありませんか。

 

このような歯ぐきにできる骨の膨らみを、

「骨隆起(こつりゅうき)」といいます。

 

 

 

骨隆起は、

主に下あごの内側(舌側)の小臼歯のあたりや、

上あごの内側の中央部によく見られます。

 

この骨の膨らみは急にできるものではなく、

長い年月をかけて

ゆっくりと大きくなっていくため、

「気づいたらいつの間にかできていた」

ということも少なくありません。

 

ふと気づいた異変に

「これってお口の病気?」

と不安になるかもしれませんが、

骨隆起はあごの骨の形が変化したもので、

基本的に体に害はありません。

 

 

 

 

◆骨隆起ができる原因

 

「なぜ、こんなふうに骨が盛り上がるの?」

と気になる方も多いと思いますが、

実は骨隆起のはっきりとした原因は

まだわかっていません。

 

今のところ、

「遺伝的な要因」「噛む力の刺激」などが

関係しているといわれています。

 

噛む力の要因として代表的なものが、

歯ぎしり・食いしばりです。

 

強い噛みしめが続くと、

その刺激にあごの骨が反応し、

少しずつ盛り上がると考えられています。

 

 

 

 

骨隆起そのものは病気ではないため

治療の必要はありませんが、

「入れ歯が当たって痛い」

「発音がしづらい」

など、日常生活に支障をきたす場合は、

外科的に取り除くこともあります。

 

 

 

 

◆違和感があれば歯科で状態の確認を

 

骨隆起そのものに問題はなくとも、

関連する症状には注意が必要です。

 

骨隆起が生じた部分は歯肉が薄いため、

硬い食べものによって傷つきやすく、

痛みを感じることがあります。

 

また、骨隆起の原因のひとつとされる

歯ぎしり・食いしばりは、

歯やあごの関節に強い負担がかかります。

 

放置すると深刻な影響を与えることもあるため、

専用のマウスピース(ナイトガード)などで

対策することが大切です。

 

 

 

 

そして、歯ぐきの膨らみは

骨隆起だけでなく、ほかの病変が

疑われることもあります。

 

お口の中の違和感や痛み、

見た目の変化がご心配な方は

お気兼ねなく当院へご相談ください。

 

 

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