「たかが1本」の油断が招くお口の崩壊ドミノ
2023年12月4日 (月)
こんにちは。院長の飛田です。
12月に入り、本格的な冬の訪れとともに、
華やかなイルミネーションが
街中でも輝く時期になってきました。
クリスマスや年末の季節感を
肌身で感じるこの頃には、親しい人と、
特別な料理や美味しいケーキを食べる!
という方もいるのではないでしょうか。
そうした楽しいひとときを過ごしたあとは、
つい食後のお口のケアがおろそかになりがちです。
ですが、
「ちょっとぐらいはいいか」の油断は禁物。
この油断から始まる「小さなむし歯」が
お口崩壊への第一歩となってしまうのです。
◆お口崩壊のはじまりは
「小さなむし歯」から
「むし歯になったら削って治せば大丈夫」
と考えがちですが、
治療とはいえ「削る」という行為は
歯に想像以上のダメージをもたらします。
歯は一度削ると元には戻らないため、
プラスチックや金属などの「人工物」で
削った部分を補っていきます。
削った部分を補う治療が一旦完了すると、
むし歯の痛みなども無くなるため、
「これで完治した!」
と思われることも多いかもしれません。
しかし、
どんなにつめものを丁寧に作っても、
人工物である以上、
少しずつ隙間ができてしまいます。
ましてや、
一度むし歯になったということは、そこは
「ケアが行き届きにくいところ」である証拠。
つまり、つめものをした部分は
再びむし歯になるリスクが高く、
実際に5~7年おきで再治療が必要になると
いわれています。
すると、治療のたびに歯は削られ、
やがて「つめもの」が「かぶせもの」に変わり、
さらには歯の神経を失って、最終的には
歯そのものを失う「負のサイクル」に
陥ってしまうのです。
はじまりは小さなむし歯でも、
治療による負のサイクルに一度はまってしまうと、
そこから抜け出すのは並大抵のことではありません。
◆1本の歯が引き起こすお口の崩壊ドミノ
とはいえ、
「28本あるうちの1本ぐらいなら
抜けても支障ないのでは?」
と思う方もいらっしゃるでしょう。
確かに歯を失った直後は、
噛みにくさや違和感を覚えるものの、
時間が経つとある程度それにも慣れて、
やがてその歯がないことも
忘れてしまいます。
しかし、この時点ですでに、
お口の崩壊ドミノが始まっています。
たとえば、奥歯が1本抜けてしまった場合、
食べものをかみ砕く力は
抜ける前の約半分に落ちるといわれています。
自分では今まで通り噛めているように思えても、
実際は抜けた歯の周囲にある「別の歯」に
その負担がかかっているに過ぎません。
これは「3本あった家の柱が2本になる」のと同じで、
ここから1本、さらに1本と
次々に柱がダメになっていく様子は
容易に想像できるでしょう。
そして、この状況は抜けた歯の周囲に留まらず、
その隣の歯、さらには
反対側の歯にまでドミノ式に広がり、
最後は「歯がボロボロで噛めない」
という状況に至ってしまいます。
◆歯を守る3つのステップは
「予防」「治療」「メインテナンス」
治療による負のサイクル、
さらにそれに続くお口の崩壊ドミノを
回避する最良の方法はずばり、
むし歯・歯周病を予防すること。
もしも、むし歯や歯周病になってしまった場合でも、
早期に発見し、
速やかに治療を行うことで
歯へのダメージを最小限に抑えることができます。
この2つを叶える唯一の方法が、
歯科医院での定期的なメインテナンスです。
大切な歯を負の連鎖から守るためにも、
ぜひ生涯を通じて定期メインテナンスを心がけましょう。
とびた歯科・口腔外科クリニック
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